受験生ブルース

などと言う歌をご存知のお方は、ほぼ団塊世代の方たちから40代後半の方々である。
1963年リリース、と資料にあるから既に40年を超えている。
唄ったのは高石友也さん、後ナターシャセヴンを結成し岡林信康さんなどとともにフォークソング隆盛の礎となった。

折から受験シーズン真っ只中、先日も新聞の折込に県内公立高入試問題全解答が入っていた。そうか、もうそんな頃か、と思い少し問題を見てみた。国語、社会はまだ自信がある。だが、数学、理科はもうからっきしダメ!!簡単な数式や簡単な関数はともかく図形は完全にギブアップだった。(って言うか、現役の頃から図形とか苦手でしたん。)

私の高校受験は31年前、1976年の事だ。
志望校は公立普通科、学区内5校くらいをピックアップし、先生と親との3者面談を何度か繰り返し、最終的に地元の市立普通科一本に決めた。
友人たちは大概滑り止めに私立校を何校か受けていたが、私は諸般の事情で端から「公立一本」に絞っていた。本当は県立の、その時の自分の成績としてはもう少し高いところへ行きたかったのだが、如何せん順位の高い校は競争率も高い。
で、先ずは9分9厘合格間違いなしという見地から選択せざるを得なかった。

だが所詮「受験」も「勝負」と同じで「水物」何が起こるか判らない。
そこで、「願掛け」ではないが、その時の自分の欲望を幾つか封印することにした。

①もう直ぐ発売予定だった「グレープ・ライブ三年坂」を受験が終わるまで買わない
②同級生たちがギターを弾き始め、バンドを組もうと言う話になり、私も直ぐにでも欲しかった。が受験が終わるまで購入を我慢した。
③「グレープ」「かぐや姫」のレコードを受験が終わるまで聴かない。

上記3項を冬休みから受験が終わるまで守った。一番苦しかったのは「レコードを聴かない」ことだった。無いものを我慢することは出来るが、あるものを聴かないのはまあ辛かったね。

ただ、真夜中、ひとりきりで参考書や教科書と首っ引きで勉強していて、ふと心が休んだのは「ラジオ」深夜放送の存在だった。
「せんだみつおのオールナイトニッポン」「谷村さんのセイヤング」そして「グレープのセイヤング」・・・番組の中で「グレープ解散」を知ったのはショックだったけれど、その中で流れたグレープの曲の数々やさださん、吉田さんのトーク、谷村さん、バンバンのちょっとHな話、せんださんの芸能界裏話など、受験生の束の間の休息だった。

高校入試も無事終わりほっとした帰り道、駅前のスーパーの5階に当時あった小さなレコードショップで念願の「グレープライブ・三年坂」を購入した。
急いで家に帰り、プレーヤーにレコード盤を置き、静かに針を落す。
「グレープリサイタル」の幕が開いた。


私は、これも諸般の都合で大学進学は諦めざるを得ず、受験と言うとこの時の高校受験と就職試験しか経験が無いが、運よくどちらも一発合格だった。

過ぎ去った過去に(if)は付物だ。もしもう少しレベルの高い高校へ行っていれば、公立大学への道も開かれていたかも知れない。そして今より良い生活もできたかも知れない。

けれど、あの高校に入れたお蔭で経験できた貴重な体験や掛替えの無い友人、先輩、後輩、先生方等と巡り合えた事は私の永遠の財産である。その後に出合えた多くの人達もまた、同じだ。

人生には自分にも予測できないことばかりが起こる。
何が正解で、何が間違いだったのか・・・それはきっと一生をかけなければ解らないのかも知れないし、一生をかけても解らないのかも知れない。

受験は大事だし、合格するのも大事だが、それだけが全てではない・・・と浅薄な経験しかないおじさんが言っても説得力などまるで無いが、まあ精一杯頑張れ、受験生諸君!!

精一杯頑張れるのも若さの証明だよ。

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