久しぶりの「風林火山」レビュー

11月に入り、NHK大河「風林火山」も佳境である。

大河ドラマの特徴として、終盤に入るに従い、そのドラマを彩ってきた多くの名優が「退場」していくのが寂しい。・・・歴史的事実に従えば止むを得ないのだが、例えば「義経」のように「実は戦乱のドサクサにまぎれて死中を脱し、海外へ逃れた」と言う伝説を持つ「英雄流離譚」もあるにはあるのだが・・・

先ずは太源雪斎、「黒衣の軍師」の異名を持った今川義元の片腕、松平元康(後の徳川家康)の師、とされドラマ中でも斃れた雪斎を元康が発見する設定だったが、実際は雪斎は殆んど義元の帷幕にあって全軍の指揮や今川氏の施政に当たっていたので、一介の人質に過ぎない元康に直接接する機会は無かったらしい。只数回、寺で読み書きをしている元康に遭遇し、その書を見て「元康殿は学問がお好きなようだな」と声を掛け、自ら手を取って書き方の手ほどきをしたらしい。この時点ではまさかこの少年が今川を裏切り最終的に天下を獲るなど露にも思ってはいなかったろう。

掛替えの無い片腕を失った今川義元は何かに追われる様に「上洛」を決意。
織田方の諸砦を落としながらも、田楽間で小休止中を織田信長本隊に襲われ落命する。

雪斎役の伊武雅刀さんは私たちの世代では「宇宙戦艦ヤマト」のデスラー総統役がなんたって馴染み深い。もう雪斎をやっているのを見ても「ヤマトの諸君」とか言いそうで(言う訳無いか)遠謀深慮のダークな役が似合う個性派、けどCMなどでは時折とてもお茶目な役もやったりしている好きな役者さんの一人だ。

諏訪御前由布姫・・・薄幸だが思慮深く、凛とした由布姫像、勝頼の将来を山本勘助に託した。既に重篤に伏した由布姫に敢えて晴信が戦について問うシーンは良かった。
柴崎幸さんはデビュー作でこの難しい役を見事にこなしましたね。

大井夫人・・・晴信の生母、信虎の室、夫たる信虎を追放した晴信をどのような思いで見つめていたのか?叉自分と同じような境遇の由布姫と晴信室三条夫人との確執に胸を痛めた生涯・・・戦国時代の不幸な女性像・・・風吹ジュンさんの見事な演技だった。

只、いつも思うのだが、男優さんの方は物語の時系列に則って歳相応に老けたメイクになっていくのに女優陣は殆んど老けませんな~、池脇さんの三条夫人と嫡男義信の役の方、たぶん同世代なんだろうが、劇中でも親子って感じじゃないもんね。

そしてその三条夫人の侍女萩野・・・虎王丸に襲われた義信を庇い刺されてしまいました。
このドラマのちょっとしたアクセントになっていた萩野さん、勘助にも晴信にもかなり言いたい放題でしたが(三条夫人に成り代わって、というところだったのでしょうが)こう言う最後が用意されていたのは意外でした。浅田美代子さん、中学時代初めてアイドルと言うものに興味を持ったのが浅田さん「赤い風船」は好きでしたね。あの危ない唄い方が・・・

後、印象に残った名シーン
長尾影虎が上洛し、参内、天子に謁見するシーンでは、あの長髪をどうするのかと思っていましたが、後ろで一つに纏め、赤い同腹、衣冠束帯のガクト影虎はとてもかっこよかったですね。
まあ、本当のイケメンはどんな役、どんな場所でもかっこいいのかも知れません。

晴信も勘助も入道してしまいましたが、戦はやめないんですね~。
残り後数話、生き残った武将達も時代に追われる様に、何かに執り憑かれるように戦に没頭していきます。勝者なき戦いの行方を最後まで見守るとしましょう。

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