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zoom RSS 「茨の木」感想

<<   作成日時 : 2008/08/17 01:00   >>

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やっとの事で、さだまさしさん著、小説「茨の木」を読み終えました。

先ず読書後の感想として・・・前作「眉山」、前々作「解夏」、がテーマとしても、全体のトーンとしても「暗め」で「重い」印象だったのに対し、本作「茨の木」は全体としては「明るめ」なトーンでした。

ただし、私は「第一章」だけで2〜3度は泣きそうになりましたが・・・

本作は数年前、実際にさださんがご自身の楽器のルーツを辿る旅に出た時の経験が下敷きになっているようで「第2章」以降のイギリスでの旅程や描かれる風景の描写などは、私など一度もかの国に行った事もないのにまるでその風景を一緒に見ているような錯覚に囚われました。
(私の下の姉の旦那が仕事で数年彼の国に滞在しましたが、彼の印象も本作の主人公の友人と同じ「美味い食べ物は少ない」と言う事と、高名なゴルフコースをまわった経験しか残っていないようです。)

しかし・・・さださんは「素敵な女性」を描くのが凄く上手ですね〜。
前作「眉山」の龍子、本作の「マリー」や「花子」(もっとも花子はまだ子供ですが、きっと将来とても素敵な女性になっている。そんな事を思わせますね。だって、幾ら「魔女」や「魔法使い」の本場の国に暮らしてるからって、その存在を信じ、自分の母親や主人公もそうではないか、と思っているなんて、今の日本の子には考えられないですよね。)、

そして本作のヒロインとも呼ぶべき「響子」さん・・・「ツアーコーディネーター」としてもあれだけ親切な方はそういないでしょうし、主人公曰く「綺麗な日本語を話せる」と言う点でも素敵ですね。そして「花子」のお母さんとしても・・・
ただ、そんな完璧に見える女性でも抱えている「問題」はあるもので、それはとてつもなく大きく、巻き込みたくない、と思いながらも主人公を巻き込んでしまいます。

で、私も「響子」さんには惚れてしまいそうです。

さださんの小説の特徴の一つとして「完全無欠な悪者」が出てこない。と言うところがあげられますが、本作中の「悪者」も結局は「生きるのが下手な、心の弱い人物」だったりします。まあそれでも罪は罪で罰せられますが・・・

さださんの小説のもう一つの特徴・・・男性陣が「頑固」で「我儘」それでいて「臆病」そしてとてもやさしい。(特に女性に!?)
これはたぶん、実生活でもそうであるように、幾ら強がってはいても「男性」の精神は脆く、幾ら可愛くっても「女性」の芯は強いのであります。

本作の主人公の旅の目的・・・父の遺品のルーツを辿る旅、そして自分の淡い初恋のルーツを辿る旅・・・
その中で、親子や兄弟、元妻・・・それぞれとの関わりや葛藤、それらを見つめ直す旅でもあったわけです。
そして、そんな旅の途中で出逢った様々な人達とのふれあいと美しい風景・・・・
そして最後にやっと巡り合った風景は「父との邂逅」であり、「兄との邂逅」であり、そして「初恋との邂逅」であった。

本作の中では叉、様々な音楽が、音が鳴っています。
それは私自身にもとても懐かしい音であったり、「あっそうだったんだ〜」と新たな発見の音であったりしますが、兎も角文章では「曲名」が書いてあるだけなのに、その音が聞こえてくるのです。

「どんなに小さな植物にも、やがて必ず花は咲く」・・・「名もない花」は無いって、いつかのコンサートで言っていたさださんを思い出します。

素敵な物語を、有り難う・・・

そうそう、こうやって書いてきて思ったのは、冒頭本作は「明るめ」のトーン、と書きましたが、それは「花子」の登場によるところが大きいようです。

とりとめもなく、思ったままを書いてしまいました。本作を愛されておられる全ての方へ・・・ごめんなさい。

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