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zoom RSS 大河ドラマ「篤姫」レビュー8 第27話〜第28話

<<   作成日時 : 2008/07/19 20:50   >>

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物語は大きく展開していきます。

幾島さんから「一橋慶喜公を継嗣に推してくださるように上様への説得、お願い申し上げます」との
再三の要請をうける篤姫。・・・しかし、篤姫は家定君の意に添えようと考えを転換してゆく。

そんな中、アメリカの条約締結への圧力とあくまでも攘夷を譲らぬ朝廷との間で混乱する幕政を立て直す為、「大老職」を定める事を決める幕閣と家定君、候補は二人、越前藩主松平慶永と彦根藩主井伊直弼・・・
大奥では本寿院一派が井伊直弼を「大老に推す」嘆願書を用意。滝山さんから篤姫にも賛同願いたいといってきたが篤姫は一度これを断る。しかし、大奥の分断の危機と家定君のことを思う篤姫は「嘆願書の事は自分は関与しない、しかし滝山がこの嘆願書をどう扱おうが構わない」と滝山に告げる。
それは暗に滝山の胸三寸に任せる、と言う事だった。幾島は「それでは自分たちが今迄してきたことはなんだったのか?」と憤慨するが、もう篤姫には届かない。

家定君はどちらを「大老職」に推すか悩み、此処への面接の席へ篤姫にも同席を願う。
篤姫は其処まで自分を信頼してくれる家定君の気持ちに喜び、その願いを受け、対面の場に同席する。

前例の無い幕府首脳を選出する面接に御台所の同席・・・松平も井伊も初め当惑するが、それぞれ持論を家定、篤姫に披露する。
松平慶永は島津斉彬との話し合いどおり、「これまでの譜代大名だけによる幕政を改革し、有力諸侯の合議制によって政治を動かすべき」と説き、井伊直弼は「徳川将軍家を盛り立てて譜代大名一丸となって幕政を動かす事こそ大事」と真っ向から対立した意見であった。

歴史の結末を知る現代人にとって、春嶽や斉彬が諮詢した「幕政改革、有力諸侯による合議制と開国することによって見識を広め、以って富国強兵を量り、世界の三等国からの脱却」の考えの方がたぶん、この時代の世界情勢と日本の置かれた立場、国力から見たら正しい意見かもしれない。
例えば本当に攘夷そのままに諸外国と真っ向から戦争でもしていたら、間違いなく今の日本は無い。

しかし、譜代筆頭を自認する井伊直弼は「日本」と言う国より先ず、自分たち譜代、旗本の存在の拠り所である「徳川将軍家」の方が大事だった。この時期既に「攘夷」など出来る訳がない。と言うところでは春嶽等と同じ考えだったのだ。
ただし、幕政や「将軍継嗣」に親藩である春嶽は兎も角、外様最大の雄藩、島津氏が口を挟むのが許せなかった。
それに同意する越前も水戸も「将軍家に仇名す」敵以外の何物でもなかった。

この「徳川将軍家の為」と言う井伊直弼の言葉に、家定君の心は動かされた。
「自分も将軍家を、徳川の家族を守りたい」家定君の心に初めて芽生えた「家族を守りたい」と言う思い。それはとりもなおさず「篤姫を守りたい」と言う事に他ならなかった。
それを聞いた篤姫は「自分も徳川に嫁いだ身、これからは徳川の人間として生きてゆく」と決め、家定君に告げる為大奥から本丸へと急いだ。

その夜、自分の考えを篤姫に告げる家定、「家族を守りたいから」そういう家定の心を嬉しく思う篤姫。
「年若い慶福が継嗣になれば、そちが後見役として慶福を導いてやって欲しい。」と告げる家定。
不吉な影が篤姫を襲う。抱きしめあう二人・・・そんな時でも「良く見るとそなたは面白い顔をしておるのう」と言ってしまう家定君でした。

やがて、井伊直弼は「大老」に就任。そして辣腕を振るいます。
先ずは懸念のアメリカとの条約締結・・・朝廷は結局「勅許」を出さないまま、井伊は強引にも条約を結んでしまいます。「日米修好通商条約」
勅許を得ずして条約を締結した事に対し抗議に訪れた水戸斉昭、一橋慶喜、松平慶永等を登城停止、蟄居謹慎に処し、日和見的だった老中堀田を罷免、その後は攘夷論者等を投獄、処刑。。所謂「安政の大獄」まで行ってしまうんですね。
結局これが徳川幕府から人心が離れていく要因にもなって行きます。

薩摩では斉彬が小松帯刀に対し、西洋式軍隊の創設、軍備の増強とその指揮に当たるよう命を下します。
其処へ西郷ドンが帰郷、「紀伊慶福が時期将軍継嗣」に決まったと斉彬に伝えます。
斉彬は小松、西郷に対し西洋式軍団を擁して「上洛」し、朝廷を擁して立ち上がる旨を伝え、二人に更なる命を下す。
若手下級藩士たちは小松からその次第を聞き「いよいよ攘夷じゃ〜」と叫びます。小松は「いや、殿のお考えはそうじゃなくて・・・」と藩士たちを落ち着かせようとしますが、血気に逸る者達は人の話しなんか最後まで聞きません。そんな中、大久保正助だけは「殿にはもっと大きなお考えがあるのだろう」と小松に耳打ちする。
大久保さんはこのあと、他の藩士たちが嫌っていた斉彬の義弟、久光に近づき、出世の糸口を掴みます。

江戸城内では突然家定が斃れる。奥医師からそれを聞いた本寿院は「御台には、このこと伝えてはならぬ」と皆に口止めします。
殆んど自分の思い通りに事が進んだのに、まだ篤姫に対してそんな嫌がらせをするのはどんな心境なんでしょう。
離れていても繋がってる、家定と篤姫の絆への嫉妬、息子を独占したい母親の心情・・・はてさて・・・

一方・・・事実上、慶喜擁立作戦に失敗した幾島さんは心此処にあらず・・・篤姫も「まさか自害など・・・」と心配しますが、本人と面と向かうと言う言葉もありません。
そんな中、「そう言えば最近家定君が来てくれないわ?」と不思議に思う篤姫は「もしやお体が悪いのでは?」と言う女の直感を働かせて奥医師を呼びつけますが、本寿院から「言うな」と言いくるめられているお医者様は自分の身の安全のため「上様は今、表の政務がとてもお忙しく、お渡りになる時間も無い由にございます」とうそをこく。
仕方ない、と「これを上様に」と何かをその医者に託します。

床に伏す家定のところへ来た医者は篤姫から託された小さな紙包みを家定に渡します。
家定がその紙包みを開くと、中には碁の白石が一つ入っていました。
それを眺めながら、篤姫と五目並べに興じた日々を思い返し、「何で姫は此処に来ない?何時ぞやの様に姫のほうから来てはくれぬのか?わしはもう、自分からは姫のところに行く事も叶わぬのじゃ」と呟き、涙を流す。
「お脈を・・・」と言う医師に「もういい、自分の体は自分が一番わかる」と診察を拒絶
思えば「暗愚なバカ将軍」と言われ、自分もそれでいいと思って日々を無為に過ごしていた家定の、篤姫と五目並べに興じた僅かな時間が、彼にとって一番幸せな、それは篤姫も同じ、とても大事な時間だったのかもしれません。

二人が別々の場所、それぞれの時間でお互いを思っていたシーンは悲しい辛い場面だったけれど、この番組内で一番良い場面だったかも知れません。
あと、幾島さんの、全てが水泡に帰して精も魂も尽き果てた感じ、何と声を掛けていいかわからない篤姫との対比も良かったです。

その頃薩摩では、海岸に敷設した海防柵での軍事教練中、陣頭に立って指揮していた斉彬が倒れます。
枕頭に義弟、忠教(後の久光)、小松を呼び、後事を託す斉彬。
この時の忠教の表情の変化は見事でしたね。
家督は忠教の子供に継がせ、忠教には斉彬の子供がまだ幼いのでその後見に就くようにと言う遺言。
つまりあくまで義弟には継がせない。と言う斉彬の意思の表れでした。
小松君に対しては「姫をそなたから奪ってしまった事、すまぬ」と・・・

数日後、篤姫の元を滝山が訪ねてきます。
「上様はお体の加減がよろしくないご様子です」と、告げる滝山。
本寿院から口止めされていたにも関わらず、良心の呵責と嘆願書の件の時に「そなたの思うところに任せる」と言ってくれた篤姫の恩義に応えるべく、家定のことを告げに来たのだろう。
「会いに行く」と逸る篤姫を抑え「今は本寿院様でも拝謁叶わず、先ずはこの滝山が表の様子を探り、御台様に伝えまする」と約束する。
滝山さんは此処へ来て篤姫の度量の広さに感服したようですね。敵ばかりではないってことですか。

やがて、老中を伴い篤姫のところを再度訪ねる滝山は、篤姫にその重い口を開く。「上様は先月、身罷られましてござりまする」・・「何を言って居るのじゃ?」と、篤姫。
「何故、そのような事を御台である私にひと月も隠していたのじゃ!!」激高する篤姫。
老中は恐れながら・・と「葬儀のための用意やらで、先ずひと月は喪を秘すのが慣わしでございますれば・・・」と言うも「私を連れてゆけ!!」「は?」「私を上様のところへ連れてゆくのじゃ!!」と

家定は既に棺の中、一人小さな部屋の祭壇に祭られていた。
「どうして、このようなところにいらっしゃるのです」と言うや、泣いて棺にすがる篤姫。
其処へ追い討ちをかけるように届く義父斉彬の訃報・・・

自分がとてもたいせつに思い、敬愛していた人を二人同時に失ってしまった篤姫。
「徳川の人間」になると決めてから開けなかった斉彬からの手紙には「そなたを辛い目にあわせてしまった。」と言う斉彬からの謝罪の言葉・・それに続いて「そなたと薩摩は、もしかしたら敵、味方に分かれてしまうかも知れない。その時は、そなたの思うままにして欲しい」と書かれていた。

内容の濃かった27回、28回。レビューも長くなってしまいました。

家定役の堺雅人さんの怪演は素晴らしかったですね。最初の登場時は歴史資料どおり「うつけ」イメージだとばかり思っていたのですが、段々と実はそれは幕政の煩わしさや身の危険を回避するための演技であった。と言う本作のストーリーに沿って、表情も段々と変化してきて、篤姫とのふれあいの中で「生きる意味」を真剣に考えるようになる家定。従来の家定のイメージを180度覆しました。

斉彬役の高橋秀樹さん・・・最近は民放ではすっかり時代劇も2時間ドラマも減って俳優としての高橋さんを見られるのはほぼNHKだけになってしまいました。
民放のバラエティ番組で若手アイドルや芸人さんたちと出演して嬉々としている高橋さんより、やはり時代劇や大河で役者として出演なさっている高橋さんの方が私は好きですね。
前回「義経」で藤原秀衡を演じられて以来の大河御出演でしたが、幕末4賢候の一人島津斉彬を、単に大藩の藩主と言うだけでなく、藩政改革への情熱や幕政へ参画しようという野心と実父や義弟との確執。愛する篤姫を自分が幕政に参画する為の「道具」として、もしかしたら「暗愚」かもしれない将軍候補家定に嫁がせた苦悩など、人間斉彬のあらゆる面をうかがい知る事ができました。
お二人ともお疲れ様。

今日の日テレ「メレンゲの気持ち」にゲスト出演した堺雅人さん。大河出演の事を聞かれ「僕一人、とてもエキセントリックな芝居だったので初めは浮きまくってましたが、高畑さん演じる本寿院が僕以上にエキセントリックだったのでホッとしました。何か本当の親子のようで・・・」お隣には本寿院役で「メレンゲ」MCの一人、高畑淳子さんが座っておられました。

あと、印象に残ったシーン・・・
28話冒頭・・・自室の前の庭を散策しながら、「家定君と抱き合い、見つめ合った夜」を反芻し、微笑みながら花を摘み取ってしまった篤姫がとても可愛かったです。


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