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zoom RSS 雨の夜と淋しい午後は・・・

<<   作成日時 : 2005/11/09 23:40   >>

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「忘れられない人が居る 青春の煌めきの彼方に」
きっと誰にでも青春時代の思い出の中でそんな人のひとりやふたりいるだろう。
そしてそんな人の面影を懐いて生きている。

1974年と言うともう30年以上も昔の話
一人の少女と出逢った。中学2年の秋、その娘は同級生で「一年の時に隣のクラスに居たよな〜」くらいの面識はあった。
彼女は途中入部で友人達と共に演劇部に入部してきたのだ。2年の秋で途中入部は珍しかったがどの道慢性の部員不足なのでどんな形でも入部は歓迎だった。が、この途中入部組みはトラベルメーカーだった。時間にちゃんと集まらない、顧問や部長の言う事は聴かない、後輩はいじめる。
以前からのメンバーは頭を抱えた。結論を言うと「途中入部組みの部からの除名」が決まった。
首謀者2人はあっさりと退部を承諾したが、彼女だけは「残りたい」と言った。

話を聴けば彼女は首謀者2人の「部荒らし」を知らず、誘われるまま入部してしまったらしい。よくよく調べれば首謀者は何が面白いのかあちこちの部に入っては荒らしていた。こういう輩は何処にでも居る。そう思い返せば彼女はただ2人のやることなすことにどうしていいかわからず黙って見てるだけだった。

彼女は純粋に「演劇をやってみたい」と言って部に残る事になり、そのうち部長とも打ち解け友達になったようだった。3年の春、新入生歓迎会「夕鶴」のうんづ役が彼女の初舞台だった。
やがて秋、文化祭は1,2年生主体で「ベニスの商人」をやり我々3年はスタッフに廻った。

文化祭が無事に終わり、後片付けが終わった頃、部員がみんな帰ってしまい、たまたま彼女と2人きりになった。それまであまりふたりで話さなかった事、進学や将来やお互いの幼かった頃や実は彼女が友人問題で自殺を図った事がる、なんてちょっとショッキングな事まで・・・一杯話した。

ふと彼女の口から「あなたの事がずっと好きだった。だからここに来たんだ」と言う言葉がこぼれた。
思いもしなかった言葉に動転してしまった。いつもそばにいてそんな素振りひとつも見せなかったし、私は彼女には彼氏が居ると勝手に思い込んでいた。

どうにもならなかった。私はその頃文通を始めたばかりの後輩がいたし、彼女の方には「ずっと私のことを好きだと言ってくれてる人が居る」ということだった。
たぶん、彼女はその彼の事をどうするか結論を出す為に私にあえて告白したのかもしれない。

「雨の日ってやだよね、でも少しくらいの雨なら裸足になってアスファルトの上を歩くの、とっても気持ちいいんだよ」 降り出した晩秋の雨の中を傘も差さずに駆け出した彼女の姿をまだ覚えてる。

お互いが高校に進学した、とある朝駅前でバスを待つ私の目を両手で覆い隠すやつがいた。
その手は暖かくて柔らかだった。ふとその手がはずれ振り返ると高校の制服姿の彼女が微笑んでいた。「おはよー」それだけ言うと彼女は駅の改札に走って消えた。

11月9日生まれ、さそり座 彼女のことで私が知っているただひとつのプロフィール
「ずっと好きだと言ってくれている彼」と結婚した。と風の便りで聴いた。

本当は彼女の事が好きだった。手元には渡せなかったバースディプレゼントがひとつ残った。

「あの人も何処かで僕のことをこうして思い出すのだろうか・・・」

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